
ルティンとはカロチノイド(色素群)の一種で、βカロテンやリコピンの仲間で、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれる黄色色素のことです。抗酸化作用に優れ、眼病予防や心臓病予防、肺がんの抑制などに効果があるとして研究が進められています。
アメリカでは40歳以上の失明の主要原因の一つに数えられている加齢性黄班変性症という病気があります。片側の眼から発症し、無痛のままゆっくりと進行していき、やがては両目とも蝕んでしまい、最悪の場合は失明してしまうという病気です。
初期症状としては物がゆがんで見えたり、とまっているはずのものが動いて見えたりします。その後中心部がぼやけて見えるようになり、悪性のものは急激に症状が進行し、失明してしまいます。日本でもここ30年の間で患者数が急増しています。
この眼病の研究で眼組織に存在するルティンとゼアキサンチンと呼ばれるカロチノイド成分には黄班変性症の改善に効果があると言うことが明らかにされました。アメリカのハーバード大学の研究チームは加齢性黄班変性症に対するルティンとアキサンチンの生化学的な研究分析を行い次のような成果を発表しています。
黄班部が光によって酸化されると、網膜にとって非常に有害な肥質の酸化が起こる。人の眼組織は高いエネルギーを持つ太陽光のうち、青色光線に最も侵されやすい。黄班部に存在するルティンとアキサンチンはこの青色光線を吸収し、無害化する。ルティンとゼアキサンチンは眼の光受容体細胞を酸化変性させる酵素を消滅させる。
黄班部のほかに水晶体にもルティンとゼアキサンチンの存在が認められ、眼組織の酸化を防いでいる。こうして注目されたルティンは更に研究が進み、網膜はく離の原因となる後部硝子体はく離の発生も抑制し、その結果飛蚊症の発生を遅らせると考えられています。